生活雑貨を買いにフト入った100円ショップ。奥に酒器が置いてあり、少しムラのある辰砂(あか)の徳利がありました。気に入った色だったので店の籠に入れ、盃も一つと思い二、三選んでいますとなんとビックリ、同じ辰砂の少し大きめの猪口の、底の色むらが禅画でよく描かれる「寒山拾得」の拾得が座っている姿です。トレードマークの箒も持っていつものザンバラ髪です。拾得は唐代の禅僧で寒山や豊干(ぶかん)と共に「寒山詩」のなかの作者の一人で、隠者です。安価な盃の中に禅僧という高潔な人物、まさに陰陽です。
「寒山詩」は三人の詩が編集されているので、「三隠詩」とも言われています。当時の世俗や官僚に伴う出世欲などを禅僧の角度から批判した詩です。悟った人や禅僧で中央に出ない人物を隠者といいますが、見方によれば一般庶民も隠者です。社会の表に出ず自分の暮らしを守り、周りの人とささやかな関係を作り暮らしていきます。しかし隠者の方が案外上層を客観的に見ることができます。一見上から下を見たほうが好く見えるように思いますが、実際は下から上を見たほうが、事の裏表は好く見えたりします。残念ですが社会の歪なども上より下の庶民に皺寄せがきます。人も前から見るより後ろから見たほうが、暮らし方の活力や自信が見てとれます。少し易的な見方になりますが、陽が陰を理解するより、陰が陽を理解するほうが理解が深いともいえます。立場が低いからといって世間の理解が浅いとは限らず、地位が高いからといって物事や世間がよく解るとは限りません。政済界と庶民の関係も、世間の風の冷たさは庶民の方がよく知っています。唐の隠者が世俗を批判したように、庶民も上にいる政治家や官僚を批判し、低いところからの物言いこそが却って現実に合った未来を描けるのではないかと思います。
周易も、思想としての高い所からの理解と、占断としての実生活での身近な筮竹の応用の、両面の陰陽で始めて本当の深遠さが解ります。隠者と世俗、庶民と政財界や官僚の関係を陰陽の角度から考えてみました。そこで一句
〈今の世を盃の中、拾得何思う〉
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2013年1月31日木曜日
2013年1月29日火曜日
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易学館のホームページができました。アクセスして下さい。 混迷の世の中にこそ、周易という大宇宙からの天の啓示としての予言は、必要かと思います。 易の実占を学んで、物事の道理がわかる易学と処世方としての日常に用いられる易占学を身に付けて、未来の自分自身や社会に役立ててみませんか。 易学館では生徒さんを募集しております。詳細はホームページで。
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2013年1月25日金曜日
易と恐怖映画
周易の表現力を広げるには、いろいろなものを六十四卦に当てはめて考えてみると象意が豊かになるだけでなく、実占での勘もさえてきます。
先日深夜にテレビで恐怖映画を観ました。「ハニンバル」です。「羊たちの沈黙」の続編で怪優アンソニー・ホプキンスのレクター博士役は残酷で狂気に迫るものがあります。名演技といえるでしょう。観終わってから恐怖映画やミステリーを、象意として六十四卦で示すとどのようになるかと考えてみました。
まずこの種の映画には恐怖は勿論のこと、残酷・死・犯罪・殺人・危機や危険などが主にテーマです。そのような卦を六十四卦から引き出しますと、死体を背負う地水師(☷☵)、危険が迫る天沢履(☰☱)、墓場の象意は地山謙(☷☶)と艮為山(☶☶)、毒を飲まされる山風蠱(☶☴)や沢水困 ( ☱☵)、高所から突き落とされる山地剥(☶☷)、眼を突かれる地火明夷(☷☲)、刃物沙汰になる兌為沢(☱☱)、監禁は火雷噬嗑(☲☳)、自然災害の恐怖は天雷无妄(☰☳)や沢天夬(☱☰)です。焼死体は離為火(☲☲)といえます。坎為水(☵☵)などはこれらの象意に複数絡みます。
では作品を当てはめてみましょう。「ハニンバル」は毒を飲ましたり、人を中吊りにして殺したり、頭蓋骨を剥がし脳を剥き出しにしますので、山風蠱・山地剥・兌為沢(兌は刃物で切開、手術)などが当てはまります。ヒッチコックの「鳥」は天雷无妄で「サイコ」は兌為沢です。「ドラキュラ」は吸血鬼なので坎為水(坎は血液)といえます。また血を吸う形は沢水困(沢の兌は口)ともいえます。ゾンビ系の映画は墓場から出てきますので地山謙と艮為地です。
邦画をみてみますと、古くは「番町更屋敷」はお菊さんが井戸に突き落とされるので山地剥と地水師(地の下の水)といえます。「四谷怪談」のお岩さんは民谷伊右衛門に毒を飲まされるので山風蠱です。「牡丹灯篭」はお露の死霊が下女と一緒に墓場から新三郎の許へ通うので、坎為水や浮遊霊の巽為風(☴☴)といえるでしょう。
多くの占断に臨むには、豊かな卦の象意を理解することが必要です。有るもの無いものを含めて多様なものに六十四卦を当てはめて読卦力を付けて行きましょう。
先日深夜にテレビで恐怖映画を観ました。「ハニンバル」です。「羊たちの沈黙」の続編で怪優アンソニー・ホプキンスのレクター博士役は残酷で狂気に迫るものがあります。名演技といえるでしょう。観終わってから恐怖映画やミステリーを、象意として六十四卦で示すとどのようになるかと考えてみました。
まずこの種の映画には恐怖は勿論のこと、残酷・死・犯罪・殺人・危機や危険などが主にテーマです。そのような卦を六十四卦から引き出しますと、死体を背負う地水師(☷☵)、危険が迫る天沢履(☰☱)、墓場の象意は地山謙(☷☶)と艮為山(☶☶)、毒を飲まされる山風蠱(☶☴)や沢水困 ( ☱☵)、高所から突き落とされる山地剥(☶☷)、眼を突かれる地火明夷(☷☲)、刃物沙汰になる兌為沢(☱☱)、監禁は火雷噬嗑(☲☳)、自然災害の恐怖は天雷无妄(☰☳)や沢天夬(☱☰)です。焼死体は離為火(☲☲)といえます。坎為水(☵☵)などはこれらの象意に複数絡みます。
では作品を当てはめてみましょう。「ハニンバル」は毒を飲ましたり、人を中吊りにして殺したり、頭蓋骨を剥がし脳を剥き出しにしますので、山風蠱・山地剥・兌為沢(兌は刃物で切開、手術)などが当てはまります。ヒッチコックの「鳥」は天雷无妄で「サイコ」は兌為沢です。「ドラキュラ」は吸血鬼なので坎為水(坎は血液)といえます。また血を吸う形は沢水困(沢の兌は口)ともいえます。ゾンビ系の映画は墓場から出てきますので地山謙と艮為地です。
邦画をみてみますと、古くは「番町更屋敷」はお菊さんが井戸に突き落とされるので山地剥と地水師(地の下の水)といえます。「四谷怪談」のお岩さんは民谷伊右衛門に毒を飲まされるので山風蠱です。「牡丹灯篭」はお露の死霊が下女と一緒に墓場から新三郎の許へ通うので、坎為水や浮遊霊の巽為風(☴☴)といえるでしょう。
多くの占断に臨むには、豊かな卦の象意を理解することが必要です。有るもの無いものを含めて多様なものに六十四卦を当てはめて読卦力を付けて行きましょう。
2012年12月18日火曜日
周易とiPS細胞
今年のノーベル医学生理学賞が京都大学の山中伸弥教授に送られることが決まりました。その功績はiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作り出すことに成功したことで、この道を最初に切り開いた英国の教授ジョン・ガードナー氏との共同受賞となったようです。
iPS細胞は万能細胞といわれ体の様々な細胞へと変化増殖できる細胞で、いままでは受精卵を壊して作るES細胞(胚性幹細胞)が同じくいろいろな臓器や神経に変化していくことは解っていましたが、受精卵を用いるので研究や発展には倫理的な問題が多く伴っていました。山中教授は受精卵からではなく皮膚細胞を取り出し、そこからiPS細胞を作製する方法に成功しました。このことは難病の解明や再生医療の未来に大きな道を開き始めたようです。このiPS細胞の作製の意義と周易の存在意義に共通するところがありますので、それらを考えていきたいと思います。iPS細胞はまず皮膚細胞を取り出し、それに四つの遺伝子を入れると細胞が初期化します。それがいろいろな細胞に成長していくiPS細胞となり、肝細胞や網膜や筋肉また神経など、それぞれの機能へと変化し増殖していく万能性を発揮していきます。
まず周易との大きな共通点は万能性です。周易は一つの思想や宗教として記されている書物では在りません。大きな見方をしますと六十四卦がそれぞれの考え方で書かれております。それは万能細胞ができた個々の臓器のようなものです。たとえば思想的にみますと資本主義的な卦は乾為天(☰☰)です。資本家として成長していく姿が各爻などに記されています。大成卦と共に君子教育といえます。反対に社会主義や共産主義的な卦は坤為地(☷☷)や地山謙(☷☶)といえます。坤為地は労働者的な考えであり、地山謙は貧しい人や弱い立場の人に施す卦で社会福祉の卦ともいえます。
また保守の思想と革新の思想も書かれています。保守は沢地萃(☱☷)や沢雷隨(☱☳)などです。沢地萃は個人的な主張よりも大きくまた広く物事や考えを集積して古典的な精神に則って大きく組織を形成する卦です。沢雷隨は大きなものや組織に自分を合わせていく卦で大企業や大きな団体に己を一員として処す卦です。反対に革新の卦は沢火革(☱☲)や火風鼎(☲☴)といえます。沢火革は事を改革する卦ですが特に雑卦伝では旧いものは捨てるべきだと断裁しています。火風鼎は新しいものを築くという沢火革の次にあたる序卦としての意味の強い行為をいっております。共に新世界に向かっていく卦で革新の卦といえます。
何故この様に多様な思考が周易の中にあるのかといいますと、二千年以上前の古代中国においてすでに成立していた諸子百家といわれる儒家・道家・法家・墨家・兵家・陰陽家・農家などのいろいろな思想をもって六十四卦を形成しているからです。このように周易という書物は一つの思想書ではありません。iPS細胞と同じく多様なもの(考え方)へ広がっていく内容の書物です。思想書や哲学書というものは世の中に数多ありますが、それらは一つの思想かそれに付随するものを深く探求をしています。しかし多くの考え方を一つの書物へ書き込んだものは古代歌謡などを除くとまずありません。したがって周易は万能の思考に対応するという際立った特長があります。中国の古典思想の最高峰といわれる由縁はここにあります。人間の持つ基本的な幾つかの思考や思想を広く網羅しているということになります。iPS細胞がいろいろな臓器などへと増殖するのと同様で、周易の陰陽は全ての思考に発展していきます。
また一方ではiPS細胞に至るまでの過程も易学や特に易占に近似しているところがあります。受精卵という根元的な体細胞から万能細胞を作り出すのではなく、皮膚の細胞という特別でない細胞から万能性のあるiPS細胞を作り出すことは、易占の作業ともいえます。易学はテキストを学ぶ事が主になりますが、易占は世間の諸事一般という多くの問題が主題となり、それを占断することで周易の高次元へと到達することが可能でありまた答えとなっていきます。占った卦を学習した知識だけでなくその問題の角度から分析することで三才(天地人)という高い次元へと解析を展開できます。天はその問題の本質で、地はこれから起こる現象で、人(ジン)はそれらに対する姿勢や考え方となります。易占が対象とする世俗の多くの問題は、iPS細胞を作る元となる細胞が体中の多種の細胞から作れる可能性があることと同様ともいえます。
また皮膚細胞に四つの遺伝子を入れることで、細胞が受精卵のように初期化しそれが様々な細胞へとなりうる能力を持っているとの事です。四つの遺伝子を入れるのは、周易では陰陽構造においての四象(老陰・老陽・少陰・少陽)といえますし、また易の意義からでは四徳の元亨利貞といえます。前者の四象においては陰陽という二つの基本から四象へ展開することによって、三画卦の小成卦へまたそれを重ねた大成卦の六十四卦へと発展をしていく元となります。また後者の四徳の元亨利貞への展開の形は、物事の意義の四季的な時間展開の基本で、やはり根元的な意味の初期化ともいえます。特に周易原文の彖辞には四徳は多く用いられており、大成卦の理解において根本的な役割を多くの卦で示しておりそこから判断方が彖伝や爻辞へと多様に展開していきます。四つの遺伝子、四象、四徳など四という数やその意義は多くの事を基本化したり初期化する数なのかもしれません。(陰陽や遺伝子の二重螺線構造などの二という数やその意義は根本過ぎてそのままでは応用しづらいのでしょう)
またiPS細胞は細胞を初期化することでそこから多様な細胞になっていくという行為は、周易においては実占といえるでしょう。易には六十四卦という多様な考えがあるのは前述しましたが、実占においてはそれらを占者の意志で選択することはできません。筮竹を捌くという偶然を用いる行為によって卦が出現します。この偶然を用いることは人意ではなく天命を賜ることで、これらの行為は問題を偶然という零からや根元から問うことといえるので、問いかける問題の初期化といえます。易占の偶然は物事に対し人知を越え根底から問いかけます。したがって初期化は実占での筮竹や八面賽の行為といえます。そこから六十四卦に向かう多様な予言へと展開をします。一般の細胞は体の一部として特定の役割を持つ細胞になってしまうと元の初期化はしないという今までの概念を覆した研究は、周易では偶然を求めまた用いる実占行為といえます。
またiPS細胞は医療の現場でも期待されています。それは再生医療です。患者さんからiPS細胞を作りそれをその人の病気の治療や臓器の再生へと用いる方法です。夢のような治療法で難病で苦しんでいる方には大きな希望といえます。また難病は病気自体が一般の病気と違い個別化した症状として現れることが多いようです。その人の細胞から取り出し作られたiPS細胞をその人の治療に有効に用いることは、一般に薬という他からの一般データを基準にして治療をするよりも、本人の細胞を用いますので格段に優れた適合性といえるでしょう。これを周易の実占の角度から考えますと、卦や爻の基本的意義は理解として大切ですが、実占という現場においては《筮前の審事》や絞り込まれた《占的》の角度から得卦への再解釈が必要となってきます。卦爻の基本象意をその実占で出現した卦爻に安易に重ねても的占をするとは限りません。筮前の審事や占的には問占におけるそれぞれの社会的な背景があります。それを加味した卦読みが一番の的占となります。実占の判断は基本象意の上にそこから発表をさせ創作されたそれぞれの状況象意が乗ってこそ優れた予言となります。これは病気の治療において、本人に対し他で実験や検証された薬の関係だけの治療法と、本人の細胞から作り出されたiPS細胞を用いた本人に一番合った治療との違いともいえます。治療の中に個人や個体性を用いた新しい治療ともいえます。漢方では患者の個体性を大変に重要視しますが西洋医学では法則性を重視しますので個体としての特長が逆に軽視されてきました。iPS細胞を用いる治療法はそれらにも革新的な道を開くものといえるでしょう。易の世界でも社会が複雑になったり個人の生き方が多様化している現代では、占断も個々の問題や立場によって判断方法が多角的になってきます。これはiPS細胞を個人個人の治療に用いていく医療の個別化と同様のように思われます。
またiPS細胞そのものが同一のものではなく個別化している部分があるということは、十九世紀後半からの現代思想への展開とも似ております。神や宗教などの古典的な絶対思想(現状の西洋的投薬治療)ではなく現在の問題や個人の立場など現象学や実存主義などといわれる人間社会や現在と相対している思想群(iPS細胞での将来の治療)と似ております。現代の諸々の問題は一つの絶対的な答えがあるのではなく、個人個人がそれぞれの問題を深めていくことによって却って問題の中から普遍性が見つかってきます。一般論や絶対的宗教を安易に持ち出しても簡単には解決をしません。この問題の初期の苦悩はニーチェといえます。言語学者のソシュールは文法を絶対化して考えずに言葉を前後の文脈よりその意義を判断しました。それが後に現象学や実存主義へと発展していきます。物理学もニュートンの古典力学からアインシュタインの相対性理論へと展開していきます。これらは絶対論から抜け出し個々への相対的な思考への発展といえます。
繰り返すようですがiPS細胞の研究が今後発展をして医療に多大な貢献ができるようになるとすれば、難病における医療の個別的な治療という個人個人の細胞に合わせた相対的な治療へと発展をしていくのではないかと思います。
もう一つの面で周易での問題における相対化は、占断する問題に対し前述した初期化と重なりますが、偶然という方法で卦爻を求めることといえます。偶然を用いることは、その問題に対して類型化して考えることはできません。ですから六十四卦の思考方が必要となってくるのです。易占という言葉は旧い様に感じられるかもしれませんが、実際の筮竹を用いるという偶然の行為は、その問題に対し相対的なので問占者に対する答えは個別的ともいえます。iPS細胞を用いた未来の医療と周易実占での判断法は個体化という点においてとても似ております。
iPS細胞の研究のこれからの未来に期待を寄せると共に、周易のもつ奥の深さにも大変に驚きを感じました。山中教授の今後の研究が社会に生かされることを切に願う次第です。 (終わり)
易学館では只今、生徒さんを募集しています。 ダイナミックな占断を味わってみませんか!
eb-4
2012年12月11日火曜日
選挙後は如何に?
多党乱立の衆院選です。選挙後の国政如何で、兌為沢(☱☱)の三爻を得ました。毀折の卦で、相変わらず法案はなかなか決まらず離合集散もまだ続きそうです。 この爻はだらしないものが寄っててくるので(来兌之凶)選挙前の公約はあてになりません。(位不当也) この卦は小事を合理的に積み重ねて行き、それに伴い物事をよく説明することが大切です。(説也) 感情論では通りません。(説以利貞) 好い事も悪いこともその内容をきちんと説明することで国民が納得していくようです。(説以先民、民忘其労)密室の談合や一方的な考えはいけません。 其努力があれば苦しくても民衆は付いてくるといっています。(説以犯難、民忘其死) 説明や議論を嫌がらず、それでいて解り易い内容で諸問題に答えていこうという姿勢が重要です。(君子以朋友講習) 大きな政策よりも細かい配慮のある政策が必要になってくる時代のようです。(兌、亨利貞) 国民も政治への無関心はいけません。理解できることから学んでいく事も大切です。(説之大、民勧矣哉。 朋友講習)
大局も大切ですが政治家の方々、小さな事にも労を惜しまないでください。(麗澤兌)
大局も大切ですが政治家の方々、小さな事にも労を惜しまないでください。(麗澤兌)
2012年11月29日木曜日
☆生徒募集!!
易学館
始めての方でもわかりやすい初等科から教室があります。
・初等科 毎月2回開催 始めて学ぶ方のクラス 随時入学可 期間3ヶ月(計6回)
周易の概要とその歴史、筮法と筮竹の使い方、用語の解説、他占法との関係、他
・基礎科 毎月2回開催 2コース(第1・第3水曜日昼、第2・第4土曜日夜)期間1ヶ年
小成八卦の詳解と大成卦六十四卦の概要、卦の基本構造と実占法
小成八卦の詳解と大成卦六十四卦の概要、卦の基本構造と実占法
・研究科 毎月2回開催 2コース(第2・第4木曜日昼、第2・第4月曜日夜)
大成卦六十四卦の詳解とその爻辞の概要、実占研究 《プロ養成講座》
大成卦六十四卦の詳解とその爻辞の概要、実占研究 《プロ養成講座》
・専科 毎月2回開催 1コース(第1・第3木曜日昼、第1・第3月曜日夜)
爻辞の詳解とプロ実占法 《プロ研究講座》
・占例会 毎月1回開催 (会員制、第4週日曜日13時~17時)
実占討論研究会と占断の奥義
・中筮研究会 隔月1回開催 (会員制、奇数月の第2土曜日13時~17時) 塚原栄一先生直伝、塚原流三才中筮法による実占研究会
・手相科 毎月1回開催 1コース 基本より奥伝まで
・家相科 毎月1回開催 1コース 同上
◎初等科と基礎科、基礎科と研究科、研究科と専科は兼ねて学べます。
受講料ほか
・入会金 10,000円
・月謝 7,000円 (易経講義は毎月2回開催を原則とします)
・占例会、中筮会 4,000円 (1回)
・手相科 5,000円 (月1回)
・家相科 5,000円 (月1回)
・体験入学可 無料
お問い合わせは 電話 03-3823-6050
E-mail ekigakukan@gmail.com
2012年11月18日日曜日
周易とiPS細胞
周易とiPS細胞 (2)
【Blog‐1の続き】
またiPS細胞は医療の現場でも期待されています。それは再生医療です。患者さんからiPS細胞を作りそれをその人の病気の治療や臓器の再生へと用いる方法です。夢のような治療法で難病で苦しんでいる方には大きな希望といえます。また難病は病気自体が一般の病気と違い個別化した症状として現れることが多いようです。その人の細胞から取り出し作られたiPS細胞をその人の治療に有効に用いることは、一般に薬という他からの一般データを基準にして治療をするよりも、本人の細胞を用いますので格段に優れた適合性といえるでしょう。これを周易の実占の角度から考えますと、卦や爻の基本的意義は理解として大切ですが、実占という現場においては《筮前の審事》や絞り込まれた《占的》の角度から得卦への再解釈が必要となってきます。卦爻の基本象意をその実占で出現した卦爻に安易に重ねても的占をするとは限りません。筮前の審事や占的には問占におけるそれぞれの社会的な背景があります。それを加味した卦読みが一番の的占となります。実占の判断は基本象意の上にそこから発表をさせ創作されたそれぞれの状況象意が乗ってこそ優れた予言となります。これは病気の治療において、本人に対し他で実験や検証された薬の関係だけの治療法と、本人の細胞から作り出されたiPS細胞を用いた本人に一番合った治療との違いともいえます。治療の中に個人や個体性を用いた新しい治療ともいえます。漢方では患者の個体性を大変に重要視しますが西洋医学では法則性を重視しますので個体としての特長が逆に軽視されてきました。iPS細胞を用いる治療法はそれらにも革新的な道を開くものといえるでしょう。易の世界でも社会が複雑になったり個人の生き方が多様化している現代では、占断も個々の問題や立場によって判断方法が多角的になってきます。これはiPS細胞を個人個人の治療に用いていく医療の個別化と同様のように思われます。
またiPS細胞そのものが同一のものではなく個別化している部分があるということは、十九世紀後半からの現代思想への展開とも似ております。神や宗教などの古典的な絶対思想(現状の西洋的投薬治療)ではなく現在の問題や個人の立場など現象学や実存主義などといわれる人間社会や現在と相対している思想群(iPS細胞での将来の治療)と似ております。現代の諸々の問題は一つの絶対的な答えがあるのではなく、個人個人がそれぞれの問題を深めていくことによって却って問題の中から普遍性が見つかってきます。一般論や絶対的宗教を安易に持ち出しても簡単には解決をしません。この問題の初期の苦悩はニーチェといえます。言語学者のソシュールは文法を絶対化して考えずに言葉を前後の文脈よりその意義を判断しました。それが後に現象学や実存主義へと発展していきます。物理学もニュートンの古典力学からアインシュタインの相対性理論へと展開していきます。これらは絶対論から抜け出し個々への相対的な思考への発展といえます。
繰り返すようですがiPS細胞の研究が今後発展をして医療に多大な貢献ができるようになるとすれば、難病における医療の個別的な治療という個人個人の細胞に合わせた相対的な治療へと発展をしていくのではないかと思います。
もう一つの面で周易での問題における相対化は、占断する問題に対し前述した初期化と重なりますが、偶然という方法で卦爻を求めることといえます。偶然を用いることは、その問題に対して類型化して考えることはできません。ですから六十四卦の思考方が必要となってくるのです。易占という言葉は旧い様に感じられるかもしれませんが、実際の筮竹を用いるという偶然の行為は、その問題に対し相対的なので問占者に対する答えは個別的ともいえます。iPS細胞を用いた未来の医療と周易実占での判断法は個体化という点においてとても似ております。
iPS細胞の研究のこれからの未来に期待を寄せると共に、周易のもつ奥の深さにも大変に驚きを感じました。山中教授の今後の研究が社会に生かされることを切に願う次第です。 (終わり)
易学館では実占を希望される生徒さんを募集しています。 ダイナミックな周易を味わってみませんか! eb-3
またiPS細胞は医療の現場でも期待されています。それは再生医療です。患者さんからiPS細胞を作りそれをその人の病気の治療や臓器の再生へと用いる方法です。夢のような治療法で難病で苦しんでいる方には大きな希望といえます。また難病は病気自体が一般の病気と違い個別化した症状として現れることが多いようです。その人の細胞から取り出し作られたiPS細胞をその人の治療に有効に用いることは、一般に薬という他からの一般データを基準にして治療をするよりも、本人の細胞を用いますので格段に優れた適合性といえるでしょう。これを周易の実占の角度から考えますと、卦や爻の基本的意義は理解として大切ですが、実占という現場においては《筮前の審事》や絞り込まれた《占的》の角度から得卦への再解釈が必要となってきます。卦爻の基本象意をその実占で出現した卦爻に安易に重ねても的占をするとは限りません。筮前の審事や占的には問占におけるそれぞれの社会的な背景があります。それを加味した卦読みが一番の的占となります。実占の判断は基本象意の上にそこから発表をさせ創作されたそれぞれの状況象意が乗ってこそ優れた予言となります。これは病気の治療において、本人に対し他で実験や検証された薬の関係だけの治療法と、本人の細胞から作り出されたiPS細胞を用いた本人に一番合った治療との違いともいえます。治療の中に個人や個体性を用いた新しい治療ともいえます。漢方では患者の個体性を大変に重要視しますが西洋医学では法則性を重視しますので個体としての特長が逆に軽視されてきました。iPS細胞を用いる治療法はそれらにも革新的な道を開くものといえるでしょう。易の世界でも社会が複雑になったり個人の生き方が多様化している現代では、占断も個々の問題や立場によって判断方法が多角的になってきます。これはiPS細胞を個人個人の治療に用いていく医療の個別化と同様のように思われます。
またiPS細胞そのものが同一のものではなく個別化している部分があるということは、十九世紀後半からの現代思想への展開とも似ております。神や宗教などの古典的な絶対思想(現状の西洋的投薬治療)ではなく現在の問題や個人の立場など現象学や実存主義などといわれる人間社会や現在と相対している思想群(iPS細胞での将来の治療)と似ております。現代の諸々の問題は一つの絶対的な答えがあるのではなく、個人個人がそれぞれの問題を深めていくことによって却って問題の中から普遍性が見つかってきます。一般論や絶対的宗教を安易に持ち出しても簡単には解決をしません。この問題の初期の苦悩はニーチェといえます。言語学者のソシュールは文法を絶対化して考えずに言葉を前後の文脈よりその意義を判断しました。それが後に現象学や実存主義へと発展していきます。物理学もニュートンの古典力学からアインシュタインの相対性理論へと展開していきます。これらは絶対論から抜け出し個々への相対的な思考への発展といえます。
繰り返すようですがiPS細胞の研究が今後発展をして医療に多大な貢献ができるようになるとすれば、難病における医療の個別的な治療という個人個人の細胞に合わせた相対的な治療へと発展をしていくのではないかと思います。
もう一つの面で周易での問題における相対化は、占断する問題に対し前述した初期化と重なりますが、偶然という方法で卦爻を求めることといえます。偶然を用いることは、その問題に対して類型化して考えることはできません。ですから六十四卦の思考方が必要となってくるのです。易占という言葉は旧い様に感じられるかもしれませんが、実際の筮竹を用いるという偶然の行為は、その問題に対し相対的なので問占者に対する答えは個別的ともいえます。iPS細胞を用いた未来の医療と周易実占での判断法は個体化という点においてとても似ております。
iPS細胞の研究のこれからの未来に期待を寄せると共に、周易のもつ奥の深さにも大変に驚きを感じました。山中教授の今後の研究が社会に生かされることを切に願う次第です。 (終わり)
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