2013年10月31日木曜日

負けも勝ち 陰陽の理

 大相撲九州場所が始ります。外国人力士も多く、国技とはいえ国際色豊かな力士の顔ぶれとなっています。また近年力士が大形化しているようです。
 
 しかし怪我による力士の休場も多いようです。先場所で引退した大関も膝の怪我が原因だったようです。どうも原因は稽古の方法のようです。

 スポーツドクターや診療所の先生などの意見を総合しますと、ウェイトトレーニングの量が増している反面、従来の土俵上での砂にまみれる稽古や、四股、鉄砲、股割りなどが減っているのがその原因のようだとのことです。

 ウェイトトレーニングは、外見上立派な体を作り上げますが、筋肉の質は堅く柔軟性に欠け、かえって衝撃には弱いようです。これは以前からボディービルダーの外見的な筋肉とプロレスラーの柔軟性のある筋肉の違いといわれています。

 従ってドクターの意見は、ウェイトトレーニングはあくまでも基礎的なものであり、従来の稽古をしっかりやらなければ怪我が増してしまうということです。
 
 また、才能のある若い力士程、強い相手には一時期は正攻法で負けることも必要です。負けるのは受身で、それも学ばないと負けた時の怪我が防げません。

 勝つときは体重が相手にかかりますが、負けるときは相手の体重が自分の腰や膝にかかり大きな負担となります。これらに耐える下半身を早い時期に鍛えておくことでしょう。

 周易的に陰陽で云いますと陽の勝つだけでなく、陰の負けに対処するのも本当に強くなるには大切です。

 
 これは易を活用する世界でも同様で、陽に当る易の理論ばかりいくら武装しても、陰の社会と対峙する易占という実占を行わない限り周易の本当の体得にはなりません。

 周易の学習の段階で云いますと、陽は六十四の大成卦やその爻辞のドラマチックな変化にとんだ勉強ですが、陰は小成八卦の地道に理解をしていく基礎象意といえます。

 この漢易的な要素の強い基礎象意を応用できないと実占での偶卦(偶然に出現する卦)に対応出来ません。その方法は日頃から繰り返し象意の基本を理解し直しておくことでしょう。

 これらを剛柔でいえば、剛の易の哲理や本の内容ばかり学んで知を増しても、柔という社会に活かす基礎象意の占断の力を付けなければ、却って頭が段々固くなり心に頑固という治り難い怪我をしているようなものになってしまいます。

 相撲も周易も陽の華やかさは後にして、まずは陰の土台をしっかり築いてから、大きな舞台へと登場すると世間に受け入れられ、お客さんからの喝采を浴びることとなるでしょう。

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