2013年7月10日水曜日

野球と易

野球と易
 
 今年もプロ野球は話題が豊富です。大リーグで日本選手の活躍も連日紙面を賑わしています。そこで野球を易の象意として考えてみたいと思います。
 
 まずゲームに攻撃と守備があります。これは陰陽でしょう。
 
 攻撃の打順の特徴を小成卦に当てはめますと一番は出塁して敵の中に入りますので(☴)です。
 
 二番はバントで自分を犠牲にしても走者を進めようとしますので(☷)でしょう。
 
 三番は強打者を置きますので(☳)です。
 
 四番はチームの花形で強打と共にアベレージも要求されるので(☲)と(☰)を兼ね備えていなければなりません。

 五番は確実性を求められるので(☰)でしょう。

 六番から八番は守備要員の人が多く(☶)の守り中心といえます。

 三振も多いが時々長打もあれば(☱)にあたります。毀折と実りです。

 九番はピッチャーですから(☷)と(☶)で打てなくても仕方がないでしょう。

 次に守備を考えますと、投手と捕手は(☰)と(☷)でしょう。特に捕手は女房役と言われますし現代野球では頭脳の要です。
 
 一塁や三塁はラインを守るので(☶)ですが、二塁やショートは、いろいろな動きをしますので(☳)や(☴)にあたるでしょう。

 外野は全般に(☶)ですが、草野球の八番ライトなどは力が弱く、(☱)なのかもしれません。
 
 ではゲームの用語を見ていきますとホームランなどは乾為天(☰☰)の五爻の飛龍にあたり満塁ホームランと言いたいところです。上爻はホームラン性のファウルかもしれません。

 二塁打や三塁打で攻撃をしている時は雷天大荘(☳☰)です。

 盗塁は足で塁を盗みますので水雷屯(☵☳)成功した時は卦を交易させて雷水解(☳☵)となるでしょう。
 
 ダブルスチールは坎為水(☵☵)と言えるかもしれません。失敗は水山蹇(☵☶)です。
 
 ダブルプレーは重卦の艮為山(☶☶)、デッドボールは地火明夷(☷☲)です。

 守備では、ファインプレーは山火賁(☶☲)、完封試合は乾為天(☰☰)、好リリーフは艮為山(☶☶)、ノックアウトで投手の交代は、兌為沢(☱☱)の毀折かもしれません。

 大事な場面でのエラーは沢天夬(☱☰)でしょう。また好カードの試合は観客が多く沢地萃(☱☷)で五爻と四爻が拮抗し、特に四爻の力量が増している方が面白い試合となります。

 大逆転は沢風大過(☱☴)で、抗議で試合が中断するのはまさに天水訟(☰☵)です。

 シーズン終了後のトレードは巽為風(☴☴)や離為火(☲☲)と言えます。
 
 以前に東京六大学で、始めて女性投手が投げ合ったのは天風姤(☰☴)の様です。
 
 野球を例にとりましたが、事象から得卦する実力がつきますと卦に慣れますし、実占において得卦後に「筮前の審事」のもつ社会性と卦の関係を深く読めるようになっていきます。そうすることによって占断がとてもリアリティをもってきます。


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2013年6月1日土曜日

筮具の話

 易占を行うには筮具が必要です。易に熟達をしてきますと時には筮具を用いずに「無筮立卦」なども行いますが、それはさておきまして基本的な筮具の紹介をいたします。
 
 まずどの様なものが必要かといいますと、筮竹、筮筒、算木、掛扐器(けろくき)などです。
 
 「筮竹」から説明をしていきますと、長さは尺五(四五㎝)、尺三(四〇㎝)、尺二(三五㎝)の三種類が一般的です。(四は不吉な数なので用いられていません) 材質は竹で長いもの程太く作られており、手元の部分が少し細く削ってあります。これは捌(さば)いたときに扇状に広がるようになる為です。
 良質なものは煤竹(すすだけ)を用いますが現在ではなかなか入手困難で、煤竹風の塗装がしてあったりします。また塗装をしていない青竹といわれる竹の地(じ)のものもあります。
 明治の易聖、高島呑象翁などは旅行用に尺二よりもっと短いものを作らせたようです。またその筮竹を入れる筮竹袋は錦の布地などがよく使われているようです。
 
 「筮筒」は筮竹を立てる筒で最近は輸入材が主ですが、金属や陶製のものもあり筮竹の尺五に合う大きさが一般的で尺三、尺二にあう小ぶりの筮筒もあります。側面に竜などの彫られたものもあります。筮竹を経てるだけでなく、筮捌きの最初の一本にあたる太極も立てます。
 
 卦を伏す「算木」は大きさに決まりは有りませんが一つ規準が有ります。六本を合わせると正方形となり地を表しています。陰爻を表す中央の赤い部分は、一本の算木の六分の一となっています。材質は堅木を用いており、捌くときに強めに合わせるとパチッという音がしてそれが魔除けとなります。高級なものは材質に紫檀や黒檀が使われ、陰爻を示す部分などに螺鈿を埋め込んであったりするものもあります。また両端に小成八卦の文字が彫られているものは中筮法にも使用できます。袱紗などを算木の下に敷くのも良いでしょう。
 
 「掛扐器」は筮竹を捌いたときに置く道具で、本来は左手の指に筮竹を挟んだものを扐といい、それを掛けたので掛扐器といいます。二ヶ所掛ける処のあるものは略筮用で略筮法や三変筮法に用い、三ヶ所掛ける処のあるものは古い筮法も出来る本筮用です。共に筮筒(太極を立てる)が無くても立卦できるようになっています。
 
 その他には、これらの筮具を簡略化した「八面賽」(サイコロ)があります。八面賽二個と六面賽一個で一セットです。材質は練り物、牛角、象牙などがあり八面賽の文字は一つの小成卦の文字の反対の面は裏卦(反対のマーク)になっています。(乾☰の裏は坤☷、震☳の裏は巽☴)三つの賽を一遍に投げますと、求める得卦得爻が一度に出ます。
 但し筮竹を用いるように下卦を得てから、上卦へ移る時間の変化は味わえません。初歩の方ほど筮竹での得卦をお薦めします。
 
 さあ、あなたも周易を学んで立卦をしてみませんか。

2013年4月26日金曜日

卦からの実占象意

周易教室研究科で沢地萃〔☱☷〕を伝授いたしましたが、
そこで占断において基礎的ですが重要な観卦方があります。

萃卦の基本象意は、聚(あつ)まるという意味です。
会社組織や団体と問占者本人の関係を占ったときに
この卦が出現するときは答えやすいのですが、

個人の問題や内面を占った時は、どの様に答えればよいかで、
対象が集団ではない場合の答えです。

それは、その人が広く学んだり、多くの人が集う所へ出向き
客観的な思考方法を身に付けていくことです。

またその質においては、沢地萃は祖先を尊ぶ卦なので、
正統や王道また本質などを求めたり大切にして、
小技(こわざ)を使ったり、邪道で安易な方法を用いないことです。

このように実占においては、基本的な卦の象意とは異なったものに、
得卦された場合の判断方を日頃、象意として学んでおくことが、
いろいろな占的に答えられる実力となってきます。

卦は偶然を以て選択しますので、「筮前の審事」やそこから絞られた「占的」と
連動したものが出現するとは限りません。

日頃から卦意と反対の占的や異なった占的のときの、
判断方を鍛えて置く必要があります。

易学館では、このような実占象意を基本とは別に
教授しております。

星占いなどの命式系から、周易など卜占(ぼくせん)へ入った方は、
占筮などの偶然を用いないので、セオリー外の応用を苦手として、
「卜」の世界から離れていってしまう人も多くいます。

実占判断における社会性・現実性の幅広いテクニックを早い時期に、
学んで豊かな判断方を身に付けて頂きたいと思います。

易学館周易教室 生徒募集中 〔随時入学可〕 手相教室も募集中
尚、開運運命鑑定も行っています。

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2013年4月15日月曜日

手相教室を開催

易学館では5月より手相教室が始ります。

手相は運命学の中でも基本的な学問です。他の占法が主であっても一度は学んで置く価値がある占法です。

手の形態からの性格などから始まり、丘(手の盛りあがった空間的な部分)や紋線など、まず全体を学びます。
それが終わりますと、本格的に各丘や各紋線などを深く掘り下げて、勉強していきます。

その間に実占鑑定法を挟んでいきます。
指や爪の占断法とそれらから判断できる重要な病占のテクニックも伝授いたします。

それらが理解できるようになりますと、手の中に大きなその人の宇宙が存在することが解ってきます。

手相が示す構造的な世界を、楽しんで見ませんか。

尚、周易教室も生徒募集中 (随時入学可)

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2013年3月25日月曜日

【易学館だより】 発刊150号

易学館で毎月発行している機関紙【易学館だより】が第150号を迎えることが出来ました。
これも購読されている方々の御蔭と感謝いたしております。

実占に役立つ易論と、それらを応用した実占例を主に掲載してまいりました。
「陰と陽」の再考から始まり、各種筮法の定義とその理解、占法の歴史的な意義またそれらに対する批判、易学に対する易占学の価値、四徳の実占としての理解、その他、

初歩の方には多少難解であったかも知れませんが、周易に対して多様な角度から論評させていただきました。
何れ小冊に纏めて出版をしようと思っております。

易占の存在は社会と相関関係にありますので、社会の進歩と共に周易も日々進歩しております。
象意の多様性であったり、語釈の現代性は常に求められます。
またお客様個人の深さや豊かさも、時代と共に複雑化していきます。それらに易占家は答えていかなければなりません。

その最前線を筆の先に表し、皆さんに伝えたく論じてまいりました。
これからも現代と周易という基本的なテーマに則り、易学と実占学を占断という実用を以って研鑽していきたいと思っています。
また多くの方々に周易の深さと占断の実用性を知って頂きたく思っております。

易学館では周易を学びたい方を募集しております。 〔随時入学〕
解り易い初歩から、プロまでのコースがあります。

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2013年3月13日水曜日

手相教室・家相教室 生徒募集中

易学館では、周易教室が主ですが手相教室家相教室も催しております。

周易は卜(ぼく)学で、純粋予言ですが、手相と家相は相学で形あるものから予言をしていきます。
卜は偶然性を用いますが、相は固定したものから未来を予言します。形態の有るものは予言と共に過去がよくわかります。

手相はその際たるもので過去の生き方や病気がよく表れます。家相は建造物の気の流れをみてそこは住む人の未来を予測します。また土地も影響があります。

物理的なものからの予言を楽しんでみませんか。

易学館では四月からの手相教室と家相教室の生徒を募集しております。

周易教室は随時入学です。


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2013年3月1日金曜日

王義之と高島易

東京国立博物館で開催されている、書聖・王義之展を鑑賞してきました。

晋の書家、王義之(321-379)は書が記号であったのを筆や墨の発達で始めてデザイン化し、字に美しくしさを与えた人です。

本物は唐の太宗皇帝が自分の墓へ持ていってしまいましたが、多くの篆刻などでその美しさが伝えられております。

彼以前の書から始まり、展示の後半では最大傑作といわれ、〈永和九年〉で始る『蘭享序』の多くの篆刻や模倣が展示され、いまは無き真筆のイメージが頭の中に沸いてきました。

もう一つ強く思いましたのは、彼の書は一字一字が独立して美しいことです。生前に膨大な手紙を書いたようですが、とくに行書は全体が類型的な美しさではなく、一字ごとに美しさが輝いています。彼以前のものは全体が一つの型の美しさで書かれている感じです。                

この王義之の書を易の占法で言いますと、高島呑象の爻辞占といえます。彼以前のそれまでの判断方は、「大成卦」という大きな観かたが中心でしたので、問占者をまず階層的に判断をしてから予言を展開していきました。                                             
高島呑象は、大成卦を時間的に細分化した「爻辞」に直接入り込み、階層より個人の問題として予言を捉えました。それだけに判断が個別化して深くなって行きます。王義之の書いた字の一つ一つの美しさと、高島呑象の問占者に対する、階層的でない個別の判断が大変に類似しています。

階層を超えた個々の美しさというのは、とても現代的です。王義之の書が現代に於いても人気が衰えないのを肌で感じました。それと同時に高島易の持つ魅力も再認識した次第です。

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